― 特定技能外国人を受け入れる企業が必ず理解すべき試験要件 ―

人手不足への対応策として、特定技能外国人の受入れを検討する企業が年々増えています。
一方で、

  • 「試験は何に合格すればよいのか分からない」
  • 「技能実習修了者は本当に試験が不要なのか?」
  • 「内定を出した後で要件不足に気づいた」

といった制度理解不足によるトラブルも後を絶ちません。

特定技能制度では、在留資格の前提として試験合格が原則必須とされており、
この試験要件を正確に理解していないと、不許可・採用計画の破綻につながります。

本記事では、令和7年(2025年)時点の最新法令・運用に基づき、
企業が必ず押さえるべき

  • 特定技能試験(技能評価試験)
  • 日本語試験

について、行政書士の立場から実務的に解説します。


1.特定技能制度における「試験要件」の位置づけ【最新運用】

特定技能1号は、
「一定の専門性・技能を有し、即戦力として就労できる外国人」
を対象とした在留資格です。

そのため、出入国管理及び難民認定法および告示により、
原則として次の2点を客観的に証明することが求められています。

✅ 業務に必要な技能水準

分野別の特定技能評価試験

✅ 日本語による意思疎通能力

日本語試験(N4相当以上)

📌 重要ポイント(2025年現在)
雇用契約を結んでいても、
試験要件を満たしていなければ在留資格は許可されません。


2.特定技能試験(技能評価試験)とは【分野別・最新制度】

(1)試験の目的

特定技能試験(正式には「特定技能評価試験」)は、
当該分野の業務を、指導なしで一定程度遂行できるか
を判断するための試験です。

教育を前提とする技能実習制度とは異なり、
**「すでに業務ができるかどうか」**が問われます。


(2)試験内容の特徴(最新)

  • 分野ごとに試験内容・実施主体が異なる
  • CBT方式(パソコン試験)が主流
  • 学科+実務判断型問題が中心
  • 海外・国内の双方で実施

現在、特定技能1号は
16分野(外食、建設、介護、ビルクリーニング 等)
で制度運用されています。

📌 試験難易度は?
現場経験がないと合格は難しい設計になっています。


(3)技能実習修了者は試験免除される?

はい。
以下の条件を満たす場合、試験は免除されます。

  • 技能実習2号を「良好に修了」している
  • 特定技能で従事する分野が、技能実習と関連性がある

この場合、
👉 技能試験・日本語試験の両方が免除
されます(※令和7年現在も運用継続)。

⚠ ただし

  • 分野が異なる
  • 修了証明が不十分

といった場合は、改めて試験合格が必要になるため注意が必要です。


3.日本語試験とは【N4相当・最新要件】

(1)なぜ日本語試験が必要なのか

特定技能1号では、

  • 業務指示の理解
  • 事故防止
  • 最低限の生活コミュニケーション

が可能であることが求められています。

その基準として、
「日本語能力試験N4相当以上」
が明確に定められています。


(2)認められている日本語試験(2025年現在)

特定技能1号の要件として認められているのは、次のいずれかです。

  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2以上合格

📌 注意点

  • JLPT N5は不可
  • 民間日本語試験は原則対象外
  • 合格証明書の真正性確認が必須

(3)実務上の注意点(企業が見落としがち)

  • 合格証明書が本人のものか
  • データ提出で足りるか、原本が必要か
  • 在留資格申請時点ですでに合格しているか

※「これから受ける予定」は、申請要件を満たしません。


4.試験の受験タイミングと採用スケジュール

海外在住者

  • 母国または近隣国で受験
  • 分野・国ごとに実施頻度が異なる

日本在住者(留学生等)

  • 国内で受験可能
  • 在学中に合格していないと切替不可となるケースも多い

📌 企業側の注意点
内定 → 試験不合格 → 採用白紙
という事例は、実務上非常に多く発生しています。


5.企業が必ず確認すべきチェックポイント【最新版】

採用判断前に、最低限以下は確認してください。

  • ✅ 技能評価試験の合格有無
  • ✅ 日本語試験の種類・レベル
  • ✅ 技能実習修了による免除可否
  • ✅ 試験合格日と申請スケジュール
  • ✅ 分野要件と実際の業務内容の整合性

試験要件の誤認は、
在留資格不許可の典型原因です。


6.行政書士が果たす役割【最新実務】

特定技能制度は、
「試験に合格すれば終わり」ではありません。

行政書士は、

  • 試験要件の事前判定
  • 免除可否の整理
  • 採用スケジュール設計
  • 在留資格認定・変更申請
  • 不許可リスクの事前回避

といった制度全体の設計と実務を担います。

特に試験要件は、
一度誤ると修正が効かないケースが多いため、
早期の専門家関与が重要です。


まとめ|最新法令を踏まえた正確な試験理解が成功の鍵

特定技能外国人の受入れにおいて、
要件の理解は最重要ポイントです。

  • 技能評価試験
  • 日本語試験(N4相当)
  • 技能実習修了による免除

これらを最新運用に基づいて正しく整理することで、
スムーズな採用と在留資格取得が可能になります。

「この候補者は特定技能で本当に採用できるのか?」
そう感じた時点で、行政書士への事前相談をおすすめします。

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増田良和
増田良和